
ASCII (英語) 配列キーボードのススメ
キーボードのキー配列は,言語の違いなどによっていくつか種類がありますが,多くの日本人は日本語配列のキーボードを使用しています.
確かに日本語キーボードは,パソコンを購入すると大体付いてくるキーボードがそうですし,キーボード単体で売られている場合でも大半がこの配列なのですが,せめて配列の違いによるメリット・デメリットを理解し納得してキーボードの配列を決めてみるのも良いですよ.
ご自身のパソコンの使い方に合ったキーボードの配列を選択する事で,より効率的にパソコンを扱えるようになります.
メリット1:クォーテーションキーの位置
プログラマの視点から見ると,一番のメリットはクォーテーションキーの位置です.
上の画像を見ると,シングル・ダブルクォーテーションキーが日本語キーボードの「コロン」の位置にあるのが分かります.
どのような言語でプログラミングを行ってもクォーテーション文字の使用頻度は多いので,ホームポジションから右手の小指だけをキー1つ分横に動かすだけで入力できるこの位置は,とても理想的な位置にあることが分かります.
メリット2:ホームポジションのままエンターキーが押せる
クォーテーションキーのメリットに並ぶ良さであるエンターキーの入力のし易さを考えてみましょう.エンターキーは改行や変換を決定したりと使用頻度が高いわりに一番端っこにあるので,日本語キーボードを使用しているほとんどの人が,右手のホームポジションを崩してエンターキーを入力しているはずです.
しかし英語キーボードを見ますと,エンターキーがキー1つ分ホームポジションに近い事が分かります.目の前の日本語キーボードで確認してみるとわかりますが,右手のホームポジションを維持したまま小指でエンターキーを入力するのは結構きついですが,1つ横の「む」の位置ならホームポジションを維持したまま右手の小指が届くはずです.
つまり記号や数字をあまり使用しない通常の文章なら ホームポジションから両手を離さずにタイピングできる ということなので日本語キーボードの時と比べると短時間で文章が書き上げられます.
メリット3:バックスペースキーが大きくなり近くなる
バックスペースキーもエンターキー同様にホームポジションに近づいているので,ホームポジションを維持して入力することも可能です.
仮に指が届かなくてホームポジションが崩れてしまっても,日本語キーボードのバックスペースキーは他のキーと大きさが変わらないので,誤打する確率も多少はあるかと思いますが,英語キーボードだとキー2つ分の大きさなのでその可能性は低くなっています.
文字入力を間違えても,削除したらいいのでさして問題にはならないですが「間違えた入力を削除しようとしたら間違ったキーを入力してしまった」という状況は,ノリノリでタイピングしているときにテンポが落ちてしまうので,これを防止してくれるのはメリットになります.
メリット4:右側の記号地帯の鮮麗さ
日本語キーボードと比べると英語キーボードは,右側の記号地帯のキー数が少なくなっているのですが,むしろ無駄だったキーが無くなり,かつ似ている意味を持つ記号がシフトキーとして用意されいて,逆にすっきりと鮮麗された配置になっているのがわかります.
ほとんど使わないアットマークが日本語キーボードだと何故このようなベストポジションにあるのか理解に苦しみますが,英語キーボードでの「2」の位置は適所として納得できます.
メリット5:使用頻度の低い変換キー系が削除
スペースキーの左右にある変換キーは使っている人もいますが,使っていない人の方が多いでしょう.これらの変換キーと「カタカナ ひががな」キーは存在することのメリットよりも,初心者が知らないうちに押してしまい「ローマ字入力や日本語入力に急になってしまって助けてください!」のような事態しか引き起こさないので存在しない方がメリットになり得ます.
メリット6:スペースキーがスペースバーに
両者のキーボードで見た目にもっとも違いがある部分を上げるとすると,日本語表記の有無に並んでスペースキーの長さを違いに上げる人も多いでしょう.
スペースキーは,ショートカットの組み合わせとしてもよく使われるキーのうちの1つでありますし,PC ゲームでも重要な操作になるボタンとして割り当てられている場合も多いので,このスペースキーが長くなることは入力のし易さが増すのでメリットになります.
メリット7:日本語表記がなくなる
日本語入力を行っている人には逆にデメリットになり得ますが,ほとんどの人はローマ字入力のはずなので「無意味にキートップに日本語が書かれている」という状態の人たちには嬉しい限りです.
デメリット1:「半角/全角」キーがない
半角・全角の切り替えは,専用のキーを使う事で行えたのですが英語キーボードには「半角/全角」キーがありません.
しかし心配はいりません「Alt + ~」で問題なく切り替える事ができます.
キー入力だけを見ると一見難しそうに見えますが,実は英語キーボードのチルダ(~)キーは,日本語キーボードの「半角/全角」キーの位置にあるので,実際は「Alt を押しながら」という副動作が増えただけですのですぐに慣れます.
(画像を見ると Alt キーを2つ押さないといけないように見えますが違いますよ.どちらかお好きな Alt キーを同時押しに使用します.)
このように,英語キーボードでも普通に日本語入力ができるのでこの部分は心配ありません.
デメリット2:自宅以外のパソコンだと記号のタイプミスが増える
職場や友人宅などのパソコンでは日本語キーボードであることがほとんどでしょうから,自宅で英語配列に慣れてしまうと自宅以外で主に記号のタイプミスが増えてしまいます.
英語配列と日本語配列を自宅で両方マスターし続けるか,キーボードが持参できる職場の場合だったら,英語配列を持ち込んで使用するのが一番ですが,最近は情報漏洩や PC ウイルス等の管理が厳しく,機材の持ち込みはダメな所も増えてきたので難しいかもしれません.
USB メモリは十分理解できますが,インターフェースなら許可してくれても…とは思いますが.
まとめ
いくつかメリット・デメリットを上げましたが,まだまだ小さいところでも優劣は存在しますが基本的に今回上げたものが,配列の違いを選択するのに十分たり得る情報量だと思います.
周りとは違う物を使う事によって起きる問題を自分で解決できないライトユーザーにはあまりお勧めしにくいですが,中級者以上やプログラマは是非英語配列を使うべきだと思います.
そもそもプログラミングは英語で行うので,本場のキーボードが一番入力しやすいのは当然と言えば当然ですね….
このエントリが,あなたのキーボード購入の情報として役に立ってもらえれば嬉しいです.